情報商材屋で働いた話(3) 初仕事
情報商材販売会社に入社して1時間後、俺はヤンキージャージ社長から初仕事を頼まれた。
「コンビニでパン買ってきて!俺のランチはいつもパンなんだ♡」
は?こいつは何を言ってるんだ???
えーと、落ち着け、俺。
俺は今、おつかいをたのまれた。
おひるごはんをかう。
あのなー、俺は自分の秘書にもそんな事させたことないぞ。
お前は俺にそんなことをさせるために破格の給料払うのか?
てか、わざとそんなことを言って俺の反応を試しているのか?
カードや免許証まで入ったブアツイ財布を預けるのも何かの試験かもしれない。
いろいろな会社を渡り歩いてきた俺がとる対応はひとつだ。
「わかりました。何がいいですか?」
どうだ?参ったか?俺が度量の広い男でよかったな。
この借りは必ず返してやるから覚えておけよ。
「たまごサンド」
おい、カワイイな(笑)子供かよ。
「社長、財布まるごと渡すんじゃなくて、pettycashを作りましょう」
「え?ペディグリーチャム?なにそれ?」
「pettycash 小口現金です。細かな雑費はそれで運用しましょう」
「オッケー、あとコーヒー牛乳も頼むわ」
社長がクレジットカードや財布を渡してきたのはテストなんかじゃなかった。
コイツ、筋金入りのバカだ。
その証拠に、俺は次の日もまたその次の日もたまごサンドとコーヒー牛乳を買いに行くことになったからだ。
まだまだつづく。