OKO 億を稼ぐ男

億を稼ぐ男の考え方

リアルチャイニーズドリーム

昨日は中国人実業家のワンちゃんと1日遊んできた。

 

いつもタダでマッサージしてもらってるお礼に食事に行くことにしたのだ。

 

ワンちゃんが「高田馬場にウマイ四川料理がある」というので食いに行く予定だったのだが、なんでもワンちゃんと折り合いの悪い中国人がそこで食事するという情報が入り、急遽、別の場所に行くことになった。

 

マジかよ?中国人の情報ネットワークすごいな。インド人もだけど、あいつら他人の一挙手一投足を常に把握してやがる。

 

密告すると報償がもらえるからなのか、人口超過の嫉妬社会だからなのか。

 相互監視社会は街中の監視カメラより恐ろしい。

 

まだ午前中だし、足を延ばして横浜中華街にでも行くか、ということになったのだが、ワンちゃんが「横浜中華街の店は観光客向けでマズイ。ゴミみたいダヨ!」というので、新宿の湖南料理の店に食べに行くことになった。

 

「なぁ、ワンちゃん、湖南省ってどこにあんの?」

「広東と四川の間ダヨ。毛沢東そこでウマレタ。辛い料理ね。億男、辛いのダイジョブ?」

 

 俺は四川省と広州には行ったことがあるが、湖南省には行ったことはない。

 

ちなみに、ワンちゃんは北朝鮮と国境を接する遼寧省の出身だ。

 

夏は気温30度、冬はマイナス30度という、過酷な環境だという。

 

俺は冬に北京に行ってマイナス4度で鼻水がつららになった。

 

内蒙古では2週間風呂に入れなかったし、トイレもなかった。

 

毛沢東は毛沢山だ。

 

暑い国や寒い国で辛い唐辛子を使った料理がよく食べられているのは、汗腺を鍛えるためだ。暑すぎても寒すぎても汗が出ないため、唐辛子を食べて汗を出すのだ。

 

平日の昼間の新宿歌舞伎町は、ちょっと間の抜けた雰囲気だ。

 

早朝は仕事上がりのホストやカラスがウロウロしているが、10時を過ぎると買い物客が混じってのどかな雰囲気になる。

 

ワンちゃんはゴチャゴチャした通りにある風俗店などが入っている怪しげな雑居ビルの階段をスタスタ上がっていた。

 

ドアを開けると、せまい店の中でペラッとした黒い服を着た二人の痩せた男がそばをすすっていた。従業員のまかないのようだ。

 

俺たち客が入ってきてもチラリと見ただけで、声をかけることもしない。

 

ワンちゃんは何度も来ているらしく、自分でメニューを手に取り勝手に座った。

 

「まだ開店前ダネ」

「もう11時半過ぎてるけどな」

 

ワンちゃんが中国語で何か話しかけると、店員の男の表情がちょっと緩んだ。

テレビのニュースを見ながら世間話を交わしているようだったが、俺には中国語はわからない。

 

12時になるとドヤドヤと客が入ってきた。全員が中国人。店内にいる日本人は俺だけだ。

 

確かにこの店に入るにはちょっと勇気がいる。一見さんは来ないだろう。歌舞伎町には中国人がいっぱいいるから、なじみの中国人客だけでもやっていけるのだろう。

 

ワンちゃんはメニューにない料理を頼んだ。

麻辣魚という白身魚を煮込んで唐辛子や山椒で味付けしたものと、豆腐とセロリの炒めもので、どちらもうまかった。

 

店内は清潔で、ピカピカに磨き上げられたステンレスの厨房が見えた。食器もテーブルも床もサラッとしていて、横浜中華街のベタッとした油汚れはどこにもなかった。

 

ひとつ気になるのは、店の壁に貼られた国会議員どものポスターだ。

 

怪訝な顔で眺める俺にワンちゃんがささやいた。

 「この店のオーナーね、歌舞伎町のポン引きダッタヨ。帰化して、日本の国会議員になった」

 

「え?」

 

そう言われてよく見ると議員のオッサンたちの顔の中に色黒の貧相な男が一人いた。

 

「国会議員というより、苦力(クーリー)みたいだな」 

 

「歌舞伎町でヤクザに殴ラレテ、ここまでなったヨ。結婚6回もシテルね。」

 

「日本人でも、ポン引きから国会議員にはなかなかなれないよ。すげぇな」

 

 店内はいつしか満席になっていた。

漢民族ではなさそうな中国人もいた。

ワンちゃんもだが、みんな日本に出稼ぎに来ているんだよな。

 

ワンちゃんは俺のスポーツジム仲間で、過去記事にも書いたが、水商売、マッサージ店、アパート経営などをしている。

 

俺をグレーな裏稼業に誘ってくれたこともある(笑)

 

その件は断ったのだが、今日は俺がスパイを買って出ることにした。

 

グレーな稼業でワンちゃんの店を脅かしているライバル店の求人に応募するフリをして

探りを入れた。

 

抜け目のないワンちゃんはすでに自分の女を2回その店に潜り込ませていたのだが、

取りきれていない情報があった。

 

そこで俺がシレッと電話してワンちゃんが欲しがっている情報を聞き出した結果、完全な違法店であることが分かった。

 

警察にタレ込めば一発で廃業に追い込める。

 

しかも、ワンちゃんの店とはまったく客層が違う。悔しがることは何もない。

 

「なぁ、ワンちゃん、卓球しに行こうぜ」

「卓球?億男、卓球デキルカ?卓球!」

 

ワンちゃんの目が輝いた。

中国人に卓球なんて安直すぎるかと思ったが、食いついてきた。

やっぱり中国では卓球は人気なんだな。

 

卓球はワンちゃんも俺もド下手クソだったが、かなり楽しめた。

 

ラリーをしながらいろいろな話をしたのだが、ワンちゃんの日本語学校の同級生が二人、逮捕されたそうだ。

 

 

そうかと思えば、別の同級生は裕福な日本人の養子になり、会社を引き継いだという。

億ションを買ってもらい、中国から嫁さんを連れてきたそうだ。

 

中国から日本にきて、国会議員になるヤツもいれば、犯罪者になるヤツもいる。

 

日本人だって同じだ。いとも簡単に大金をつかむヤツもいるし、底辺を這いずり回るヤツもいる。

 

その違いが何なのか、ワンちゃんと俺にはよく分かっている。

 

運なんかじゃない。成功には法則がある。

 

卓球のあと、晩飯を食ってから、一緒にスポーツジムに行って、最後はいつものとおり、ワンちゃんの店でマッサージしてもらった。

 

ワンちゃんはまた、新たなビジネスを始めるという。

 

「億男、一緒にやろう。お金ぜんぶワタシ出す。ワタシ永住権あるから名義も心配ナイ」

 

「またかよ(笑)ワンちゃん、それ以上稼いでどうするんだよ?ワンちゃんも独身で子供いないだろ?」

 

「お金欲しいジャナイヨ!稼ぐのオモシロイだよ!」

 

そう、稼ぐのはオモシロイ!!

 

それこそが成功の第一の法則だ。